救急医療
当院の救急医療について
京都中部総合医療センターは、京都府南丹二次医療圏の救急医療、災害時における医療、周産期医療、小児救急医療を含む小児医療の基幹病院(平成20年3月発表「健やか長寿の京都ビジョン~京都府保健医療計画~」による)として
- 24時間体制で、内科系、外科系、小児科、産婦人科の医師が計4名当直しています。(令和4年度には9,867名の救急患者、3,213台の救急車を受け入れています。)
- 救急部・集中治療室管理運営委員会を定期的に開催し、「京都中部総合医療センター救急患者受け入れ方針」(PDF:資料1)を定めて、救急医療の質の向上に努めています。
- 病院の地域における役割と地理上の立地を鑑みて、満床を理由とした救急の不応需は極力避けるように院内体制を整備しています。
- 京都府より平成21年の秋に相次いで「急性心筋梗塞」と「脳卒中」の急性期医療を担う医療機関の指定受けており、地域のがん拠点病院の両輪として位置づけられる心血管の急性期医療センターの役割を果たしています。
- 最新の救命医療のための医療機器を整備しています。例えば京都府の病院では初めてオートパルス人工蘇生システムを病院内に配備し、実際に臨床使用しています。
- 南丹メディカルコントロール協議会に複数の委員や救急活動の検証医師を派遣して、消防の救急医療活動の質の向上に助言を行っています。
- 教育研修機関として京都中部広域消防組合の救急救命士の病院研修や京都府立医科大学の臨床参加型臨床実習(クリニカルクラークシップ)を受けて入れています。
- 救急救命士と院内職員が参加して年4回の救急症例検討会を行っています。(写真1)
- 以上の成果を救急・災害医療の関連学会や地域の研修会等において発表・情報発信しています。
ドクターヘリについて
平成22年4月17日、京都府・兵庫県・鳥取県3府県が共同でドクターヘリの共同運航を開始しました。運航時間は午前8時30分から日没まで(出動要請は、日没30分前まで)の有視界飛行です。府内全体の出動回数は200回以上におよび、山間部が多い府北中部での出動が大半を占めています。
平成23年3月11日に発生した東日本大震災では、全国からDMATとドクターヘリが花巻空港に設けられた広域拠点に集まり、そこを拠点にして3ヶ月間にわたって被災地より患者搬送を行った実績があります。
消防ヘリについて
ドクターヘリは、救急専用ヘリで、医師と看護師が直接救急事故現場へ出向く「究極の医師搬送システム」といわれていますが、消防ヘリは、多目的(消火・救助・救急・捜索など)に使用し、目的に応じた資器材を積み替えて飛行するもので夜間でも運用できます。またドクターヘリの運航時間が8:30amから日没(基地帰着時間)までと限定されているのに対して、京都市消防ヘリ(2基)は24時間運航可能となっています。そのため夜間の離着陸訓練を行っています。
当院でも患者さんの搬送のために日没後に京都市消防ヘリを要請することがあります。
平成27年4月28日、滋賀県全域と京都府南部を運航範囲とする京滋ドクターヘリが運航を開始しました。この運航開始により、滋賀県全域で「30分以内に救急医療を提供できる体制」が整いました。このように全国的にドクターヘリの整備が拡大していますが、平成30年3月末現在、全国42道府県に52機のドクターヘリが配備されています。今後も山間部やアクセス困難な地域の要救助者の救出に活躍するものと期待されています。当院も災害拠点病院としてヘリポートを有していますので、ドクターヘリ運用に貢献していきたいと考えています。