認知症疾患医療センター
認知症の早期発見、診療体制の充実、医療と福祉の連携強化、専門医療相談の充実を図るため全国的な施設整備を目的とし、厚生労働省により平成20年に「認知症疾患医療センター運営事業実施要項」が定められました。京都中部総合医療センターでは京都府の指定を受け、平成26年3月に認知症疾患医療センターを開設しました。
認知症とは
「認知症」というのは様々な原因で脳に障害をきたしたために、いったん獲得された知的機能(言語、記憶、思考など)が低下して、生活する上で支障をきたす状態のことをいいます。脳の働きの低下は老化によっても生じますが、「認知症」ではいびつな形で、より速く進むため、本人のみならず周囲の人たちにも驚きをもたらします。
「さっき言ったことも忘れている」など記憶力の低下が中心的な症状ですが、進行すると「料理や作業の手順がわからなくなる」「道に迷う」など、これまで何の問題もなくできていたことにも支障をきたすようになり、一人では安心して生活することができなくなります。こうした生活面での混乱は周囲の人たちとの人間関係にもひずみを生じるようになり、このことが本人の心理面にも影響して、不安や興奮症状が現れたり、徘徊や暴力行為にまで進展していく場合があります。
長寿社会となった今、誰にでも降りかかってくる問題ですから、私どもや地域包括支援センターなどのスタッフに相談していただき、共に解決の糸口を見つけていきましょう。
- 医師 : 2名(常勤1、非常勤1)
- 公認心理師 : 2名
- 精神保健福祉士 : 1名
(2024年1月4日現在)
診察日
診察の流れ
1. 問診
ご本人、ご家族や関係者の方々からお話を伺います。
2. 認知機能検査
記憶の検査を約40分程度おこないます。
3. 診察 検査
問診、認知機能検査を踏まえ医師による診察、画像検査や血液検査を行います。
4. 鑑別診断
検査、診察から認知症の原因となっている病気の診断、患者さん・ご家族への説明を行います。
- 診断が確定するまでに、おおよそ3ヶ月を見込んでおります。
5. かかりつけ医にて経過をみていただきます
- 診察曜日によって診察の流れが前後しますので、お電話いただいた際に詳しくお伝えします。
お問い合わせ先
診察を希望される方 | 0771-42-2510 |
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紹介状をお持ちの方 | 0771-42-5061 |
認知症に関するご相談の方 | 0771-42-5703 |
(受付時間 月曜日~金曜日 9時~17時 祝日、年末年始除く)
- 認知症に関するご相談やお困りのことなど、お気軽にお電話ください。
認知症疾患医療センターの役割
専門医療相談
初診前医療相談や本人、家族、関係機関(地域包括支援センター、介護保険事業所、保健所等)からの認知症に関する医療相談に対応するとともに、状況に応じて、適切な医療機関等の紹介を行います。
鑑別診断とそれに基づく初期対応
適切な医療方針の決定をおこない、関係機関と情報の共有化を図り、医療・福祉・介護の支援に結び付けていきます。診断後は、かかりつけ医と連携を図り、日常の診療はかかりつけ医が担当することが基本になります。
身体合併症・周辺症状への急性期対応
認知症の人の身体合併症及び周辺症状に対応します。病状に応じて専門医療機関や精神科病院等へ紹介させていただきます。
地域の医療・福祉との連携
地域の医療機関、地域包括支援センター、市区町村、保健所等の関係機関、家族、介護者との連携を図る為、ネットワークづくりに向けた検討を行っていきます。
認知症に関する知識向上の為の研修会実施
認知症疾患医療センターの院内外において、専門的な知識・経験を有する医師・看護師の育成に努めていくとともに、認知症対応力の向上を図る為の研修等に取り組んでいきます。
情報発信
認知症医療に関する正しい知識を知っていただくための情報発信を行います。
地域の医療機関の方へ
認知症の方とその家族が住み慣れた地域で生活できるための支援の一つとして、鑑別診断・専門医医療相談等を実施するとともに、地域の医療機関の先生方と連携させていただきたいと考えております。
ご予約は、地域医療連携室にてさせていただきます。